おーもり

ボヘミアン・ラプソディのおーもりのレビュー・感想・評価

ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)
4.3
改めて映画はすげぇ面白いな。って今作で再確認した。
映画はタイムマシンだ。伝説の歌手の半生を知り、1985年のライブ・エイドに連れて行ってくれる最高の体験ができるじゃない。

フレディがクイーンに加入してから、いかに熱狂的なファンがついていくのかなぁって頂点に駆け上がる様を楽しみにしてたけど、そこはスッパリカットで拍子抜け。
加えて、正直中盤までは、フレディのことあまり好きになりきれず。仲間割れしたり恋人とすったもんだしてるところは(うーわ、、あーらら、、)ってな感じで乗りきれず。
自分のセクシャルで悩むことと、恋人がいるのに各地でとっかえひっかえ相手と寝るってのは別問題ですし。
バンドメンバもその域には不自然なほどいっさい踏み込まない(踏み込めない?)から、ストッパーも無く、ただただ彼が天狗になって自業自得で堕ちていく様がみてて辛かったな。
でもこれは、フレディの映画だからといって、彼を完璧な超人ではなく、間違いも弱さも含めて描いているからこそなんだろう。

と、思いつつ再起をかけて再度一つになったクイーン。ラストは冒頭にもどり、遂にLIVE AIDの開幕。背景を知った上でみるライブパフォーマンスに興奮し涙腺が刺激されまくりでした。
ただただyoutubeにもあがっているあのライブを再現しているだけなのに、歌うフレディの顔アップショットに透けてみえる、数奇的な人生とリンクする歌詞。歌と共に映されるメンバー、友人達、観客達の様子にどうしても込み上げるものがある。
帰りの電車で速攻アルバムDLして無限リピートでした。
あと、この表現が正しいかは分からないが、フレディの歌いながらの身振り手振りはヒトラーの演説の手振りを思い出した。なんというか、人を惹きつけるカリスマ的な鼓舞する様子が共通しているのかも。

しんみりしそうなラストも、エンディングのDon't Stop Me Nowで、フレディは、クイーンは終わっていない!止まっちゃいないんだぜ!って感じの疾走感でスッキリしました。

一番好きなシーンは、収録でゴタゴタ揉めてる中、ジョンがおもむろにベースを弾きだして、(なんやこいつ空気読めや)感をメンバーが一瞬出しつつも、(おっ悪く..ないやん..いや、めっちゃいいやん...)って名曲が生まれていく所。
やっぱどんなに揉めても、みんな「音楽」が「クイーン」が大好きなんじゃねぇかと。
彼みたいなポジションの人間好きだなぁ〜