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ボヘミアン・ラプソディのcoroのレビュー・感想・評価

ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)
3.7
1985年夏。妖艶なディートリッヒや愛くるしいトムとジェリーに見送られながら家をあとにするフレディ・マーキュリー。乗り込む車はもちろんロールスロイス。涼風を浴びて今にも羽ばたきそうなエンブレムのフライング・レディまでもがQUEENの一員のように思えてくる。いずれ伝説となるLIVE AIDでのパフォーマンスへと続くオープニングのこの一連のシークエンスから早くも心が躍る。
そんなはやる気持ちを落ち着かせるように開かれる1970年の扉。そこから垣間見える愛や苦悩の軌跡はどこまでが事実なのかは分からないけれど、作り話のような出会いを繰り返し、振り出しへと戻る。
やがて、妖しげに煌めくピチピチのタンクトップとピチピチのデニムから発散される濃密な個性の渦に体ごと吸い込まれて、気がつくと涙が溢れていた。
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