このレビューはネタバレを含みます
この手の「偉大なるアーティストの自叙映画」は吐いて捨てるほどある。
ジミヘンもビートルズもピストルズもディランもストーンズもとにかく映画になっている。し、ほとんど色々観た。
が、なぜそれらの偉大なるアーティストの映画より、この映画が称賛されるに至ったのか?
ま、広報や宣伝の采配も大きいのは確か。SNSやクチコミってのもあると思う。
しかし思うに、他の自叙映画より群を抜いてライブ感がものすごい。映像も音も、見せ方も。これまでの自叙映画は説明になりやすく、意外と歌が出てこないのだ(著作権の問題とかもあるのか?)
そして、ほとんどドラッグに溺れている姿が出てこない。死に際?去り際が美しい。クリーンだ。喧嘩で別れてもいないし誰も中毒で死なない。心温まる、親友と呼べる人物が何人も出てくる。
メアリーは化粧をしたときから既に知っていたのかもしれない。親友にしかなれないことも。彼のセクシャリティを許容するというあの時代における先進的な態度。メンバーだって、恋人の親だって、先日観たナチュラルウーマンとは雲泥の差。
もう一回観たい、とまでは言わないが、もう一回見たいと思っている人がいれば、是非他の自叙映画も映画館で見てほしい。そしたら、フレディの何がすごいかが、もっとわかるから。