MikiSato

ボヘミアン・ラプソディのMikiSatoのレビュー・感想・評価

ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)
4.1
ようやく。
川崎チネチッタのLIVE ZOUND。
オープニングから、音が。もう。

QUEENは、家にアルバムが1枚あったから、その中の曲は聞いたことある、くらい。
"I was born to love you" がキムタク主演のドラマ「プライド」の主題歌で、エアロスミスの"I don't want to miss a thing"のイントロを聴くだけで涙が出てくる、のと同じ感じで、イントロだけでゾクゾクしてくる感じ。そのくらい。
だから、この映画が上映されて話題になったはじめの方は、すごく観に行きたい!!とは思っていなかった。
けれど、1ヶ月前くらいに、体調を崩して1週間くらい休んだときがあって、そのときにちょうど「プライド」の再放送をやっていて、最初は、懐かしいなあ、暇だし見るか、程度に思ってつけて、そうしたら"I was born to love you"が流れてきて、今まで感じたことのないような、体の真ん中から、エネルギーのような何かが、体全体に行き渡るような、そんな感覚になって、気づけば目から涙が溢れていて、そのときに、QUEEN(これはフレディのソロだけれど)ってすごいかも、って思って、それでこの映画がすごく観たくなった。

音楽が最高なのは間違いなくて、ライブエイドのシーンでは立ち上がりたい衝動を必死に抑えた。

映画を観て思ったのは、フレディは人間を超越した存在、という感覚。
QUEENの楽曲は、フレディ・マーキュリー、QUEENのメンバーがつくりだしたもの。
だけれども、それ以上、というか、ひとりの人間がつくりだした以上の、もっと大きな何かから、フレディという人間を通して、うみだされたもの、みたいな、そんな感じがした。

人間ではないものになる、みたいなことを清水依与吏が言っていたのを思い出した。

マイケルジャクソンとか、ユーミンとか、槇原敬之(世界に一つだけの花)とか。
人々を導く、なんていう言い方はちょっと大袈裟かもしれないけれど、時代をつくる、みたいな。

人間がつくりだしたルールに収まりきれないときもあって、それが自身を破滅させてしまうこともある。
才能のある人間、選ばれた人間は、孤独。信じるのは自分の感覚だけ。もちろんその感覚は、生まれつきのものではなく、努力して磨き上げたもの。
どこまで、自分を信じられるか。
と、その人の才能を信じて、人間のルールとの間を取り持つ人、支える人の存在。その存在に恵まれた天才が、時代をつくりだすんだろうな、なんていうことを思った。
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