Yoshimasa

ボヘミアン・ラプソディのYoshimasaのレビュー・感想・評価

ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)
5.0
公開当時に投稿し忘れていたので、改めて。

正直、クイーンについて知ってることなんて、
この映画見るまでは「We Will Rock You」と、
キムタクのドラマ主題歌(しかもクイーンじゃない)と、それくらい。
昔、20世紀の名曲的なCDで「ボヘミアン・ラプソディ」と
「伝説のチャンピオン(We Are the Champions)」を
聞いた覚えがあるくらい。

予告編を見て、ちょっと見てもいいかなっていう、
すごい軽い感じで考えていた。
後悔するやいなや、ものすごい勢いでツイッターに絶賛レビューが並び、
そんなんだから映画館も満席、満席でなかなか見に行けず。
平日に休みが取れた日があったので、やっとこさ見に行けた。
結構年末に近い時期でした。

前半は自分の知らなかったクイーン、というかフレディの情報が
次々と出てきて(歯のこととか)、どんどん興味が湧いて来て、
そこでかかる名曲の数々。聞いたことないものから
なんか聞いたことある的なものまで、引き込まれていく。

クイーンの物語であると同時に、フレディー・マーキュリーの自伝的な
側面が大きいこの作品。
一人のカリスマが何を考え、どのようにしてメンバーと出会い、
どんな恋をして、いかに才能を開花させていったか。
そのすべてが虚実織り交ぜながらテンポよく語られていく。
表題曲の誕生前夜なんて、まぁ当初は失敗したのかもしれないが、
巧みな自己プロデュースによって世に広まっていったのを見て、
ある種の教祖みたいな、スクリーンを見ながら後光さえ差していたような
それほどかっこよく光り輝いて見えた。
※「ボヘミアン・ラプソディ」の誕生に関しては、映画公開中に
NHKで再放送されていた「ボヘミアン・ラプソディ殺人事件」っていう
過去に放送された特番がすごく面白かったのでオススメです。
どこかで見れるのかな…。

しかしメンバーとの確執が生まれ、徐々に孤立していくフレディ。
自分でも感じてはいたものの、ソロでの活動やその時信頼していた人々を
裏切ることもできず、酒やドラッグの日々。
チャリティーフェスの出演オファーも当時のマネージャーによって伏せられ、
いよいよもう復活の時が消えたかに思えたその時。
親友が叱りに来てくれるんです。
どんなに離れていても、どんなに会えなくても、
人を助けてくれるのは親友なんです。
目が覚めたフレディーはマネージャーを追い出し、
そしてしばらく仲違いしていたバンドメンバーともう一度話したいと、
謝罪の意味も含めて会うことを望みます。
メンバーも昔から一緒にやっている親友です。
受け入れてくれるんです。助けてくれるんです。

この辺り、映画館で見ながら体が震えるくらい泣いて、
涙がとめどなく溢れて来ました。
あんなに嫌われていたと思っていたのに、
みんながすごく優しくて、帰ってくることができたんです。
迎え入れてくれたんです。
その時のフレディーの気持ちと、親友やメンバーたちの優しさを思うと、
涙が止まりませんでした。
そのあとあのライブエイドでしょ?ダメ押し。。

こんな感情が揺れ動いた映画、久々でした。
監督の問題とか、脚色しすぎとかいろいろ言われていましたが、
こんなに心を動かされた人間がいる。
それだけで僕にとっては大傑作です。
またひとつ、定期的に見たくなる映画が増えました。

ちなみに一番好きな曲は「Don't Stop Me Now」です。
Yoshimasa

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