ミシンそば

ボヘミアン・ラプソディのミシンそばのレビュー・感想・評価

ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)
3.9
自分にとってクイーンというバンドとの初コンタクトは「プライド」でした。
「プライド」は本編自体は観てないし、主題歌の「I was born to love you」と「We will rock you」くらいしか知らなかった。
そして時は流れ、予備知識自体もほとんどなく観たのが本作。
ラミ・マレックの「全然似てないけど演技力で黙らせる」フレディ・マーキュリー像を描く演技スタンス以外は、映画的な脚色を施しつつ無難に仕上げたという印象しか特に見受けられない映画というのが正直な感想。
クイーンについて知れば知るほどそのイメージは残念ながらどんどん強化され、「何でここでその曲?」という無粋な感想をどうしても抱いてしまう。
クイーンを知る上で入口としてはこの上なく正道だが、正道ゆえにどうしても描き切れていない部分と言うのが多い(残念がるべきか、否か)。

ただ、ハッキリと言えることは、クイーンのアルバムをとにかく聴き漁りたくなる衝動が、あとからじわじわとジャブのようにきいてくる。
事実、サントラを買いこそすれ、それだけでは満足できずにアルバムを全部買った人は俺だけではないはずだ。

「Was it worth it」や「The show must go on」などの後期楽曲を聴いてから再度聴く「I was born to love you」は、とても空虚で、フレディが「ここにはいない」感がして、すごく辛かった。