ホイットモア大統領

コールド・キラーのホイットモア大統領のレビュー・感想・評価

コールド・キラー(2017年製作の映画)
3.4
ナメてた相手が実はヤバい人だった映画。

ただ、本作の主人公エズゲのヤバさはかなりキテる。
進路を塞ごうものなら拳で解決し、ムエタイのスパーリングでも、バカにされれば半殺しにしてしまう。SEXすらも逆レイプかと思うほど。言わずもがなの前科持ち。

そんなエズゲ姉さんに殺人現場を見られちゃったのだからさあ大変。終盤、怒涛の展開とその締め括り方には、お口あんぐり。
しかし、犯人も「被害者の皮を剥ぎ、口から加熱した油を飲ませる」ヤバい人なので、“ヤバい人 vs. ヤバい人” 映画でもある。

そして、本作はアクション以外の要素も印象的だ。

エズケは移民ゆえの劣等感を抱え、父親には障害があり、両親からは愛されていない。
片や、最初は非協力的でぶっきらぼうな担当刑事だが、親が認知症で介護生活に疲弊している一面を持つ。そんな似ている境遇の両者は次第に惹かれ合う。

これら社会問題や老々介護問題を織り交ぜつつ、大人の恋愛映画にも発展させるところに、ドイツ映画である本作の魅力を感じた。