takanoひねもすのたり

テルマのtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

テルマ(2017年製作の映画)
3.2
魔女物サイコホラーというか。

ノルウェーの人里離れた家で信仰心が厳格な両親の元で育ち、やがて大学へ通うためオスロで一人暮らしを始めたテルマ(アイリ・ハーヴォー)友達とビールを呑んでしまっただけでも後悔で涙ながらに両親に懺悔の電話をしてしまうくらいに信仰心が強く植え付けられている。
そこで出会うアンニャ(カヤ・ウィルキンス)同性同士で惹かれ合うふたり……やがてテルマの封印されたあるモノが目覚め始める。

監督はトリアー監督の甥のヨアヒム・トリアー。

最後に映る小鳥の種類を知りたかったのですが分からず……。

キリスト教におけるタブー(同性愛)
女性に惹かれる自分の罪深さ、自慰(例え幻覚でも)を行う自分の性欲への恐れ。
(蛇が数回現れるのは、エデンの園で知恵の実を喰えとそそのかした蛇の意かな、たぶん)
別に責められることでも罪深いことでもないと個人的には思いますが、戒律の厳しいキリスト教圏で育ったわけではないので、彼女の心の葛藤の苦しみを推し量ることは出来ません。

彼女は、突然心因性の癲癇発作を繰り返すように。
そしてそれは彼女の心の中にある強い欲求から生み出された力で、いわば神さまからのギフトともいえる力。

父親が湖にボートを漕ぎ出し、人体○火を起こす下りは、こいつはひでぇ……と思ったものの、彼女が子供の頃に蠟燭の火で手をあぶられたことと地獄の業火の二重の意味かな……と。
となると、いちばん罪深いのは父親ということになりますが。
手段を間違ったということかも知れない。

最後は消去と治癒と再召喚のコントロールが可能になったと解釈しました。まる。

MRI、あれ音が怖いんだよね……音の消音の医療機器の進歩を願いたい……。