まいこ

テルマのまいこのレビュー・感想・評価

テルマ(2017年製作の映画)
3.3
鬼才ラース・フォン・トリアーを親類に持ち、カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品された「母の残像」などで注目されるノルウェーのヨアキム・トリアー監督が手がけたホラー。
ノルウェーを舞台に、幼い頃の記憶を封印された少女テルマが、成長して初めての恋を経験したことをきっかけに、恐るべき秘密へとつながっていくさまを描く。

成長や性の自覚に伴う恐れを謎のパワーの発芽に置き換えて表現する作品は数多くあるけれど、本作は宗教と親の縛り、同性愛がそれにプラスされていて複雑に事情が絡み合いモヤモヤ感も大きい。閉塞的で得体の知れない思春期特有の抑圧がプールの床底や氷、水に閉じ込められてしまう苦しさで描かれているのをみるとこっちまでそれに溺れてしまいそう。悪魔とキリストの私欲。ラストはかなり好み。
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