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テルマのfilmoutのレビュー・感想・評価

テルマ(2017年製作の映画)
3.6
『わたしは最悪』の監督が誰なのか調べていたら本作の監督だったので鑑賞。
かなり表現主義的なんですね。
北欧で名前も同じだしラース・フォン・トリアーっぽさを少し感じると思っていたら遠い親戚との事。

両親による道徳的な教育とその先の信仰について二段階の抑圧があり、その反抗を表現主義的に描いている。
ラース・フォン・トリアーも無神論者だったと思うがここの一族はみんなそうなんですかね。

※以下ネタバレ

アンニャがなぜ帰ってくるのか、テルマになぜ超能力があるのかというのは乱暴に言ってしまえばこれは映画でそういう表現にしたからそうなるとしか言いようがないが、つまりテルマが父を殺し神に反抗し切ったからだ。
この映画は登場人物たちがあんまり自分の意思を持っているような感じがしない。ラース・フォン・トリアーの作品もそうだけど、表現のためにキャラクターは敢えてご都合主義的に動かされているのではないか。まあそれ言ったら大体そうだろという話でもあるが、そのせいでイマイチ物語に興味が持てず、ミステリーっぽい白々しさばかりが気になってしまった。
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