進学に伴う初めての一人暮らし、過保護の親、幼気な少女、隠された過去と「RAW 少女の目覚め」と重なる部分はありましたがこっちはサイケデリック要素が強かったですね。
なぜ弟が居なくなったのか、死んだはずの祖母はなぜ生きているのか、母親は半身不随になったのかなど伏線を残しつつ、後半にそれらの理由を紐解いていくという構成。ですがちょっとダレたかなという印象。
宗教に造詣が深い方、特に聖書をよく知っている方なら細かな設定が分かるみたいです。同性愛、飲酒などの禁忌を破ったことで再び自分の思い通りになんでもできる力を手に入れたテルマ。とかく陳腐な展開になりそうなこの超能力の設定を映画的に鮮やかに描いているのはすごいと思いました。
アンニャが消えた理由は禁忌をおかしたから？父親や弟の死をテルマは本当に願っていた？などやや自分の中で落としどころのつかないところもある難しい映画でした。
あとあのラストいいですね。僕は夢か現かでいうと前者だと思うのですが、切ない感じて終わったのかハッピーエンドで終わったのかどう捉えるのかは人次第な気がしていて、それも監督の狙いみたいですね。
