赤足

テルマの赤足のレビュー・感想・評価

テルマ(2017年製作の映画)
3.4
昨年、映画「ウィンド・リバー」を鑑賞する際に予告で流れ気になっていた作品。ミニシアター系の作品の為、やはり地元には来ず(涙)の作品でやっとレンタルで鑑賞!

大学に通うため一人暮らしを始めたテルマ、信仰心が深く厳格な両親の下で育ったテルマには、すべてが新鮮だった。そんなある日、彼女は激しい発作に襲われ、そこから全てが変わり始めることに

冒頭の親子で狩りをする海外なら当たり前の光景からの違和感から始まる物語に目を奪われた!ストーリー的には映画「RAW」にとても近い感じの作品だと感じた。あるきっかけを境に自分の内に秘められた秘密と感情と解放と青春といった一件アンバランスではあるが実はとても相性が良かった的な食べ物で例えるならば、麻婆豆腐と日本酒的な悪魔的組み合わせであり、自分的にかなり好物なのでそこそこ楽しめた。全体的に静かでいかにも北欧っぽい静かなトーンは日本映画のそれと通じるものがあり、見る人によっては好き嫌いが分かれるタイプの作品だろう。だが主人公テルマの苦悩や葛藤等を丁寧に描いており、両親との関係を含め、次第に明かされていくスリリングでサスペンスな展開は飽きされることなく、北欧の景色や独特の表現等も印象的であった。「RAW」ほどの衝撃はなかったものの、テルマに隠された力と過去、そして突如失踪してしまった恋人のアンニャ、とラストを締めくくる部分はやはり感情の解放と新たな旅立ちというところで、ある種の青春映画であったと思える作品であった。
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