このレビューはネタバレを含みます
冒頭、足元を魚が泳ぐ氷上シーンがとても美しい。けれど…全ての意味がわかるとゾッとする。
作品全体を包む不穏で重たい空気に終始圧倒されながらも最後まで見入ってしまった。
排除される側が実は排除する力を無意識に持ってしまうというお話。
宗教色も強く ホラー 的な怖さは少なくて 残酷 で 幻想的 なおとぎ話。サスペンスともミステリーとも、人によっては 愛の物語 にもみえるかも知れません。
親にも、宗教にも、医学にも救われることのない少女 テルマ 自身の自立を、ファンタジーなリアルとして繊細かつ精妙な世界観で描いている。
ハッピーエンドにみせつつも少し視点を変えると…鑑賞後、暫く ゾワゾワ が止まらなかった。
「彼女には選択肢がなかった」
父トロイの残酷で切なすぎるこのセリフが耳に残る。てか、そんなんじゃ人生の楽しみがないやんね?