MasaichiYaguchi

ちはやふる ー結びーのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

ちはやふる ー結びー(2018年製作の映画)
3.9
末次由紀さんの少女漫画を広瀬すずさん主演で実写映画化した3部作は、ヒロイン綾瀬千早が競技かるたと出会った小学生時代から瑞沢高校で競技かるた部を設立して全国大会を目指す「上の句」、はじめは競技かるたに不慣れでバラバラだった部員達が上達して結束していくのを描く「下の句」、そしてシリーズ集大成である「結び」では、ヒロインをはじめとした各キャラクターの成長を心の琴線に触れるストーリーで描いていく。
前2作を観てきた人からすれば、夫々キャラクターの今までの紆余曲折を知っているので、本作での頑張りにエールを送りたくなると思う。
このシリーズを通して思うのは競技かるたは文化活動や伝統文化という側面があるものの、明らかにスポーツであり、「畳の上の格闘技」といって良いと思う。
その競技かるたのシーンが前2作以上にダイナミックに描かれ、観ていてハラハラ、ドキドキ感がアップする。
競技かるたの小倉百人一首について、本作では使われている和歌を写真のように見た景色や抱いた感情、その「一瞬を永遠に留めている」ものとしている。
だから、「一瞬を永遠に留めている」札を一枚でも多く取ることに青春を賭ける彼らの輝きを描く本作を観ていると、青春を謳歌している人は改めて今を大事に、そして若き日々が遠い思い出になってしまった人は振り返りたくなるような気がします。