このレビューはネタバレを含みます
なんじゃこりゃ〜、脚本も演出も演技もどこをとっても完璧じゃないか〜
広瀬すずは圧巻だし、松岡茉優は最強のライバルに化け過ぎ、もはや化け物。
2時間の映画で、どうやったらあんなに全てのキャラを深く描けるんだろう。初登場キャラも2時間の中ですっかりファミリーとして溶け込ませてしまう奇跡。
上の句下の句はあまり好きじゃなかった。ちはやが自己中だし、可愛いから何でも許されると思ってる感じがうざかった。でも結びはこれだけキャラがいるから誰か絶対ハマる。というよりほぼ全員ハマるような描き方してる。なんなら、ちはやだってかなり魅力的だった。
広瀬すずの圧倒的な才能がすごいんだけど、松岡茉優のラスボス感もすごい。ダースベイダー並み、いやそれ以上のドン・コルレオーネ級の貫禄。この人の作品ごとの演技の幅の広さというか、メソッド演技的なカメレオン感があるから、広瀬すずに喰われず、その上に君臨するクイーンとしての役割が務まってる。
だからこそあの終わり方は間違いだったと思う。あの2人のカルタバトル=演技バトルを物語のクライマックスに持って来て最大の見せ場にすればもっと良かったはず。
少なくとも勝敗は逆にすべきだった。最強の存在として引き立ててきたのが、無駄になってしまったような…
ちはやとクイーンの勝負を描かなかったのは、クイーンが強くてちはやには手を出せないからって理由ならしっくりくる。ドラゴンボールのビルス様みたいなね。
なのに、エンディングにジャンプカットで優勝しましたって、あんな雑なまとめ方はないんじゃないか。松岡茉優があそこまでの最強オーラ出してたのに、あんなあっさり勝敗ついてしまうとはあっけない。尺の都合で描けないなら、やっぱり勝てなかった、でもいつか必ず超えるって描き方の方が良かったと思う。それが唯一の欠点。
あと清原果耶ちゃんの重鎮感もすげー
まだ16歳でしょ?この子将来とんでもない女優になるんじゃないかと密かに期待してるんだけど、広瀬すずのオーラに負けずに終始食い付いて互角の存在感を出し続けてる。とんでもない逸材。
ラストを除いて本当に完璧で青春映画の金字塔と言っても過言ではないと思いました。