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ちはやふる ー結びーのHallyのレビュー・感想・評価

ちはやふる ー結びー(2018年製作の映画)
4.2
"青春は一瞬、だけど残り続ける"

これはちょっと想定外だぞ。評価高いから期待していたが、ここまでとは。あまりにも自分の中で響くものがありすぎた。

私は"あの"一瞬に全てかけれたかな。あのかけがえのない一瞬を懐かしんで、強烈な寂しさに襲われる。制服着て、ネクタイ締めて、ローファー履きたい。ずっと思ってる。周りが大学生を謳歌する中、現実に押しつぶされそうになる。そんな時に心から湧き出るあの感情が、どこかまだ吹っ切れてない惨めな自分だと思ってた。でも違う。惨めなんかじゃない。原田先生はそれを"手触り"と言ってみせた。俺にも残ってた。無くさない。

千早に対する太一と新の思い。それを「恋すてふ」と「忍ぶれど」で表す。なんて素敵な。『上の句』と『下の句』での伏線をしっかり"結んで"みせる。カルタをとる手の描写やカルタをとるうえでの千早の思考描写、フラッシュバック描写、スローモーション表現、無音だったり挙げきれないほど"映画的表現"が物凄くしっかりしてる。3部作の最後としての役割をしっかりと果たし、強烈なエモさと清々しさが心の中で弾ける。

宇多丸さんは「結びを含む3部作となった事で ちはやふるは青春映画という括りを超えて2010年代を代表するクラッシックとなった。」と評した。まさに。激しく同意だ。これからも見続けるだろうな。
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