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ちはやふる ー結びーのyumeayuのレビュー・感想・評価

ちはやふる ー結びー(2018年製作の映画)
4.0
"運命戦は運命じゃない"

最後の最後まで王道の青春スポ根映画でした(正確にはスポーツではないけど)。
新入部員が加入したり、進路に悩んだり、高校三年間という時間に制限があるからこそ描くことのできる成長物語でした。
個人的にちょっと不満の残る内容だった「下の句」から見事にV字回復をしてみせてくれたのも嬉しかった。

三部作を通して主人公は紛れもなく千早でしたが、最終的に美味しいところを持っていったのは太一でしたね。
思えば太一が学校の屋上で千早と出会い始まった物語ですから、太一が話を締めるのも悪くないですよね。

天才肌の千早や新が身近にいたことや、間接的に失恋してしまった⁉︎ ことで、自分を見失ってしまった太一が、無敵の名人・周防のもとを訪れ、再び自信を取り戻す展開はスポーツ漫画でお決まりの展開でしたねー(何度も言うようにスポーツではないけど)。

師匠の元での修行を経て、迷いを断ち切った主将が満を持して登場するのは超ベタすぎる展開。
何勝手に迷惑かけといて、堂々と一番最後にスローモーションの演出まで使って登場すんだよ!とツッコミたくなりますが、これが熱いんだから仕方ない!
これ少年誌だったら必殺技を身につけてますよね絶対に。タイガーショット的な(笑)。


また、三部作ともなると登場人物にも随分と愛着が湧いてきますが、やはり全てのキャラクターにスポットを当てることが難しいのは仕方ないことか…。
でも、「下の句」であれだけの存在感を見せていたクィーン若宮の扱いが今作では完全にお笑い担当だったのはちょっと残念。
同様に今作で最大のライバルになるはずの新もその才能を最大限に見せつけるシーンは少なく、結局は太一の引き立て役になってしまっていた感は否めなかった。

気になる点がない訳ではありませんが、基本ガッカリが多い漫画原作の実写映画としては抜きん出た作品なのは間違いないですし、青春映画としても普遍的なものが描かれているので、今後も長く愛される作品になることでしょう!
願わくば、映画でもドラマでもいいので彼らの今後を見てみたいなと思いました。
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