私はそもそも十代の頃、
少女漫画を読み漁っていた。
最近はほとんど読まなくなったかわりに少女漫画原作で映画化された作品はよく観る。
当たりハズレがあるのは仕方ないけど、
だいたいが、「原作の方が面白いんだろうな」
と思う。
けれど今作に関しては、
少女漫画原作でこんなにじっくりしっかり深みを持って完成された青春映画ほかにあるだろうか?
という仕上がり。
広瀬すずの袴もジャージも、
太一の苦悩も、
アラタの福井弁も、
仲間たちのキャラクターも、
ライバルたちのクセの強さも、
競技かるたという題材、その静と動のコントラストも、
若い子らを見守る大人たちの役割も、
画面に映るものすべてがキラキラと眩しい。
やはりキャスティング?
構成?
しかしそれ以上に感じたニッポンの心、であるだろうか。
それぞれのキャラクターの心理描写も、
わかりやすいとか、感情移入できるとか、
というよりもなんだか尊くて美しい人間の姿、みたいに感じられる。
時間があるときに三部作一気に観返したい。