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ランペイジ 巨獣大乱闘の海老のレビュー・感想・評価

ランペイジ 巨獣大乱闘(2018年製作の映画)
3.5
最近ちょっと脳が疲弊してきていたもので、そんな時は甘いものか映画ですよね。
勿論映画にしました。
どうせ味わうのなら、スイーツじゃなくてロック様の妙技でしょう。それも、とびきり、頭空っぽで観られるものがいい。何せRampage(大暴れ)なんてタイトルを冠するくらいだし、正当なB級感を堪能できそう。

…という意味では期待通りだったのですが、ちょっとした誤算は、僕は自分がビビりであることを失念していた事です。特に急に大きな音で驚かせる類の演出が苦手で、鑑賞中何度もビクッと浮くことに。

巨獣大乱闘とはいえ、開幕すぐに巨獣が暴れるなんて事は流石になくて、得体の知れない現象により、次第に動物が変容する、忍び寄る恐怖感は意外とホラーチック。脅威が去ったかと思って意識が緩んだ矢先の強襲という、いわゆるお約束な演出が目白押しながら、僕みたいな慣れてない人間にはこうかはばつぐんだ。

あらゆる生物が巨大化するパニックというわけでなく、ポスターに載った3頭の活躍に集中されます。
ゴリラ、狼、ワニに敢えて絞るのは、何か象徴的な意味でも含むのかと少し勘ぐりましたが、人型、スピード型、パワー型と個性を分けるためでしょうね。元はアーケードゲームですが。
脚光を浴びせるのは巨獣だと主張するかのような、後半のシカゴ破壊シーンの大盤振る舞いは流石と言うほかない。CG技術は勿論のこと、平気でビル倒壊シーンも挟んでくる表現の自由。日本だと9.11に対して不謹慎だと的外れな規制がかかりそうなものだけど、創作の境目がはっきりしてる。
大都会が俯瞰視点で微塵の遠慮もなく蹂躙されていく迫力は壮絶です。

巨獣を際立たせるため、主役以外の人間たちは、どこまでも巨獣の引き立て役に徹するのも良かったです。それはそれは、絵に描いたような死亡フラグを立てては誠実に役目を果たし、退場する。冒頭にも書きましたが、パニック映画のお約束が大量に散りばめられています。「それは死ぬパター…」と過ぎった頃には既に退場している。その間抜けぶりでよくも代表が勤まったな、と突っ込みたくなるほど人間サイドの敵の作戦は稚拙。
活躍するのはあくまで巨獣、そしてロック様のみ。

博士とジョージ(で検索すると別物が引っかかりますが、さておき)の友情、ハンドサインで繋がる演出も何気に憎かったです。物語のアクセントとしての役割、味付けの配分もちょうど良かった。

期待通りに迫力とワイルドに溢れた作品。楽しませていただきました。
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