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ランペイジ 巨獣大乱闘のおふとんのレビュー・感想・評価

ランペイジ 巨獣大乱闘(2018年製作の映画)
4.0
2018年劇場鑑賞18本目。

予告や前情報のB級感に反して、手堅く作られた素晴らしい怪獣映画。
どうしてもハリウッド版の「ゴジラ」や「キングコング髑髏島の巨神」、「パシフィック・リム」という偉大なる先駆者たちがいるせいか、どうしてもインパクトは薄くなってしまうのは仕方ないか。
最近ではハリウッド製の怪獣映画というものに慣れてしまいましたが、少し前まではハリウッド映画に怪獣が出てくるだけで感涙ものだったのです。
この作品もその時期に上映されていたら、日本の特撮ファンは今以上に熱狂していたと思うのですが、しかし「パシフィック・リム」達のヒットが無ければ、おそらくこの作品が生まれることも無かったであろうという事実が歯痒いですね。
僕がこの作品で感動したのは、しっかりと「怪獣映画」になっているということで、「パシフィック・リム」に出てくる奴らはKAIJUという名はついているものの、やはり怪獣というよりはクリーチャーという印象がどうしても拭えないですし、「ゴジラ」に出てくるMUTOのデザインも絶妙な手の届かなさ、感性の違いに頭を抱えました。最近だとハリウッド作品に出てくるモンスターで1番怪獣という概念をわかってると感じたのは「キングコング髑髏島の巨神」に出て来るナイトクローラーだったのですが、こいつは群れで出て来る上に女王ナイトクローラーがただでかいだけでデザインは兵隊ナイトクローラーとデザインがほぼ同じという点で、惜しい!と感じてしまいました。やはり、群体怪獣のボスはメガギラスしかりレギオンしかり特別感のある造詣であるべきですよね。
その点今作品に出てくる巨獣たちは、設定としては大きくなった動物なんですが、ちゃんと怪獣としての要件を満たしています。もしかしたら、ハリウッド作品にちゃんと怪獣という概念、理念を理解した怪獣が登場するのは初めてといっていいかもしれません。何より重要なのはやはりビジュアルです。オオカミが巨大化したラルフ、ワニが巨大化したリジーはどちらもただ動物を大きくしましたというビジュアルではなくデザインが秀逸。やはり怪獣はトゲトゲしている方がいいです。もしこれでビームとか出せたら完璧なんですけどね。

怪獣の話ばかりになってしまいましたが、もちろんストーリーも秀逸。いい感じに話が雑で、ツッコミどころ満載なのも良いし、悪役が無残な最後を遂げるのも怪獣映画らしくて良い。
「シン・ゴジラ」があれだけ街中での自衛隊攻撃や核攻撃の是非について悩んでいたのに、今作では街中でばんばん戦うし、ヘリは必ず落とされるし、核攻撃の判断が躊躇いないのが、やっぱり洋式モンスターパニックはこのくらい大雑把でないと、といった感じでした。怪獣映画の登場人物といったら逃げ惑うのが常ですが、今作の主役はさすがロック様といったところで、ゴリラと手話で会話するし、腹に銃弾を撃ち込まれてもピンピンしているし、米軍がガチで闘って勝てなかった相手に1人で向かっていくし、そりゃこの人だったら撃たれても死ななそうだし怪獣と戦っても勝てそうだという映像的な説得力がありましたね。

欲を言えばせっかく成長が止まらないサメの遺伝子を使っているという設定なんだから、巨獣たちがどんどん大きくなって変異していく過程を見せて欲しかったなぁというのが正直なところ。
ジョージと主人公の友情というのが1つのテーマになっていてそれに尺を割いたせいか、敵サイドのドラマが薄い、というか無いというのはちょっと残念。
まぁ「パシフィック・リム」にKAIJUという単語が登場しただけで嬉し涙を流していた頃からすると贅沢な感想なんですけどね。