このレビューはネタバレを含みます
この映画、「フライト・ゲーム」とセットみたいなアナウンスがあった(曖昧な記憶だけど)からてっきり続編かと思ったら、「同じ監督」が「リーアム・ニーソン主演」で「乗り物の中というシチュエーション」の「サスペンス」を作ったというだけのことだった。まったく別の作品。
ただ、密室の乗り物の中でなにかを強要されつつ問題をクリアしていく、という意味では続編といってもいい。両作とも仕掛ける側の意図は不明なもののリーアム・ニーソンを操って、なにかをしようとする展開。
また、「96時間」のようにリーアム・ニーソンが鬼神の如き強さで、敵がかわいそうなレベルということでもない。「フライト・ゲーム」のときはもっと強かったように感じるほど、この作品ではリタイア間近のくたびれたおじさんという設定。
加えて、息子の学資にお金は必要だけど、リストラに遭って仕事がなくなり、報酬を貰えるとあって渡りに船で罠に乗ってしまう。拒否するよりも「これで一旦しのげる」と思っちゃう立場の弱さ。同情を禁じ得ないけれど、リーアム・ニーソンという俳優にはあまり求めていない部分にも思う。
結局、粘り強くミッションをこなした上で、黒幕を暴いて万事解決の流れ。それにしても、足許を見られていいように利用されたマイケルが気の毒だし、歳のせいか腕っぷしはそれほどだけれど、タフというか我慢強いというか移民の根性ハンパない。
これで家族も彼に頼りっきりじゃなくなるといいのだけど、警官に復帰したようだから生活も安定してますます強靭な柱として生きていくのかもしれないな。
ところで、アメリカの通勤電車はあんなに空いているのかと思って愕然とした。それから、他の乗客と「顔を知っている」ではなく「顔見知り」になるとか、アメリカ人のコミュ力は日本人とは土台から違うなと、感嘆するばかり。