肉浪費Xアカウント復旧無理ぽ

ジュリーと恋と靴工場の肉浪費Xアカウント復旧無理ぽのレビュー・感想・評価

ジュリーと恋と靴工場(2016年製作の映画)
3.5
靴工場を背景に就職戦争と労働組合の闘いをミュージカル仕立てで贈るなんてなかなかの斬新さ
シンデラストーリーとはいかない現実の四苦八苦にお高くとまれるのがこれまたフランス流!?

前提として言っておきますが、ただの個人の好み評価です。こういう奇をてらった新鮮味が好きなもので、正直言って完成度は"低い"ですw
脚本も未成熟でラストなんか特に視聴者に唖然または怒りさえ湧くでしょう(言うてもフランス映画やぞー)

このインディーズ感のあるミュージカルというのがまたいいですなw
主演女優さん(ポーリーヌ・エチエンヌ)が線が緩い感じでズーイー・デシャネルさんほど美人というわけではないけど、似たようなキュートさを感じ、それを表すかのような最初の柔らかな歌唱曲がまた良かったです。

数々のミュージカル映画を産み出したフランス。その最先端がクラシカルな中世の時代設定でもなければ、『ラ・ラ・ランド』のような現代というわけでもない、といっても中国製大繁期を迎えた少し前の時代設定で実際にフランスであった靴製造工場の講義活動の実話ベースなのかも知れません。

一流の専業のダンサーを投入してのミュージカル演出らしいですが、そうは思わせない素人感のダンス、歌唱力でありながらもそこがあえての"ホームメイド感"があって自分は好きですw
正統派ミュージカルから外れる愛着の湧くぬくもりとでもいいましょうかw

ただ大きく不評を買ったと思われるのが「主人公」の言動でしょう。
靴工場の"近代化"(コスト削減)による大量リストラの危機の労働者組合の反対運動と主人公の就職活動事情があまり折り合わず、主体性が欠ける上にヒロインが熱を上げるのは「恋愛」という視聴者を含めた全方位に敵を作る状況w
メッセージ性としては"女性の自立と尊重"を主として軽視された事に対するリベンジ&アベンジャーズを描いたもの。

ただ脚本がなにを勘違いしたのか『アナ雪』の女性としての"ありのままの〜♪"の意義を無理矢理に組み込もうとしてヒロインの暴走を描いてしまった。
フランス映画によくあるパターンですが、それだけに留まらず"普遍性"を無視した

主人公の好感度(言動) = 映画の評価

と、大多数である単純な人ほどそうなってしまう事を"映画人(脚本家)"はいい加減学ぶべきだと客観的に思わせてくれる映画でしたね。

でもこのところフランス映画を観てる身としては、ダメージが少なく、好きよこのヒロインw