ひろぽん

坂道のアポロンのひろぽんのレビュー・感想・評価

坂道のアポロン(2017年製作の映画)
4.7
横須賀から佐世保にある高校に転校した西見薫は誰もが恐れる不良の千太郎と彼の幼なじみの律子と出会う。父が亡くなり家に居場所のない薫は、そこでジャズと出会い、千太郎との友情や律子との三角関係と共に淡い恋を描く1966年の長崎を舞台にした青春物語。


原作の漫画やアニメは未鑑賞。

jazzというジャンルに馴染みがなかったが、この作品を鑑賞してから初めて好きになったjazzの曲『Moanin'』

恋愛要素よりも最初から最後までカッコイイjazzの音楽がメインで心を満たしてくれる♫

多くの曲が流れるが特に『Moanin'』と『My Favorite Things』が物語で重点的に語られ印象に残る。

薫と千太郎の性格や境遇が真反対の2人の高校生が音楽を通じて友情を深めたり、甘酸っぱい恋模様が描かれる姿がとても良い。

黒電話やレコードなどが登場し、アナログ感満載だけど全く古臭さを感じないのは何故だろうか…

学生運動があるなど戦後の敗戦から立ち直り経済発展を遂げていく時代の若者たちの高揚感を感じられる素敵な1960年代。

長崎の佐世保は海軍と共に発展した街であり、アメリカ軍や教会、jazzなど佐世保という地域特有の文化が味わえる。

この作品の1番の見どころは文化祭の薫と千太郎の体育館でのセッションシーン!
計算された陽の光がピアノを照らし、停電で暗いながらも楽しそうに楽器を弾く2人の笑顔と圧倒的なパフォーマンスやカメラワークには痺れた。

律子演じる小松菜奈の透明感とツインテールの破壊力は凄まじい。そして、真野恵里菜ってこんなに美人さんなのか…。

jazzが好きな人も興味ない人にもオススメしたいお気に入りの最高傑作。恋愛よりも音楽要素強めだから観やすい。劇中話に登場する映画『サウンド・オブ・ミュージック』も観てみたいと思った。
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