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坂道のアポロンのoldmanSEヨKのレビュー・感想・評価

坂道のアポロン(2017年製作の映画)
3.5
【ネタバレなし】原作未読。
=昭和ノスタルジーに夢見るユートピア=

『Always 三丁目の〜』の親子&家族愛に対して、今作は友情と恋愛といったところでしょうか。

冒頭、おそらく本物の当時のセピア色の写真の中から、違和感なく物語が展開するのはとても丁寧な仕事で、本当に見事に感じました。

本来、交わらない筈の者同士が、音楽(或いはその他の趣味)で深い繋がりを持つ…という話が何より個人的に琴線に触れてしまう。
今作はその描写が、かなり理想的過ぎではあるけれど、凄く綺麗に描けていて、緩い部分も受け入れて観られました。

あと、音楽そのものの持つ魅力、吸引力も相当大きいです。

全体的にはノスタルジーというジャンルの様式美、徹底したユートピアなんですが、完成度はかなり高く“酔えました”。

JAZZも曲数は少ないんですが、いいところを選曲していたと思います。

役者さん本人たちがちゃんと演奏していて、台詞から演奏へ自然に入る気持ち良さを感じました。
演奏のレベルもしっかりしてました。
むしろ当時の高校生にしては上手すぎかも。

三木孝浩監督は『ぼくは明日〜』で、小松菜奈の魅力を最大限に引き出したと感じていますが、今作の小松菜奈も「惚れてまうやろ…」ってくらい(笑)
まぁ、『先生』の広瀬すずも可愛く撮っていましたけれど…。
こういう設定の女の子を撮るのがきっと上手いんですねぇ。

個人的に、ラストショットがちょっと残念というか…
「えっ!?そこで切る?」でした。

もう別の人のでもイイじゃん!…でした。

多分、撮ってはいたんでしょうけれど…諸事情でしょうか(笑)

今作、ハッキリ言って予告のデキ(編集)はイマイチだと思います。
あれでスルーしてしまう人はかなりいそう(自分もそのつもりでした)。
確かに予告のショットも本編のシーンの一部ではあるんですが、もっと繊細でいいところも多いので、そっちを使えばよかったんじゃなかなぁ〜と思いました。