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坂道のアポロンのkassyのレビュー・感想・評価

坂道のアポロン(2017年製作の映画)
3.6
1966年の佐世保を舞台に、疎外感を感じながら生きていた薫と千太郎の2人がジャズを通して友情を育んでいく。

漫画自体もとてもオールドな魅力たっぷりで面白い作品だったが、映画はなんと言ってもジャズの名曲が実際に彩ってくれるのが魅力だろう。
特に、喧嘩した後に文化祭で2人でセッションするシーンはキラキラとした青春、ジャズの楽しさが詰まった素敵なシーンだった。

知念くんは正直演技はイマイチだが、中川大志くんと2人で猛練習してリアルに演奏しているとの事なので、驚いた。2人の努力により、良いシーンが沢山生まれた。
中川大志くんは千太郎のきっぷの良さを体現出来ておりハマり役であった。
おディーンさんもハマり役だったが、どうにも尺が足りなかった…

2時間の尺に収めるため、やや原作から改変しているところもあり、特に千太郎の過去やパーソナリティが端折り気味なので、茫然自失のまま行方不明になってしまう背景が映画だと良くわからないのでは?という気がしてしまった。その為、最後の盛り上がりがイマイチ。

とはいえ、ジャズの楽しさや格好良さは伝わる映画になっているのではないかと思う。三木監督は青春映画、特に音楽物はやはり肝入り感を感じる。
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