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ダイバージェント FINALのmikioartのレビュー・感想・評価

ダイバージェント FINAL(2016年製作の映画)
2.7
ビジュアル面での頑張りが非常に目立つ作品でした。フェンスの外側の荒涼とした荒地やカッコいいドローン(欲しい!)、偽装壁、飛行車など映画独自の要素に目を見張りました。

特に巨大な壁を超えるシーンは迫力満点、未知の世界への期待が俄然高まった。原作ではあっさり過ぎるくらいの簡単なフェンスがあるだけなので、この辺までは本当に良かった。

ただ、今までと同様に表面的なイベントを繋ぎ合わせるだけで、肝心の人物描写が浅過ぎると思った。遺伝子の違いや異なる人間の様々な特質、それらの間で繰り広げられる争いを通じて、トリスやフォーは人間としての在りように気付いていく。裏切りと許し、人としてポジティブになるために必要なこと、そういった気づきや成長が十分に描かれていなかったことが残念です。

フォーが遺伝子欠陥への事実や父親への葛藤に悩むところがカットされてしまったのも、元々のテーマを上手に燻り出せなかった要因かなと思う。

原作のエンディングは賛否両論でしたが、映画版を観るとあれで正解だったのだなとも思った。更なる続編の企画もあったようだけど、原作全部カバーしてしまってるのでどうするつもりだったのだろう?

ともかくシャイリーン・ウッドリーという素晴らしい女優さんを知れてよかった。ジェフ・ダニエルズの老けっぷりにも驚愕。
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