砂利川権兵衛

リングの砂利川権兵衛のレビュー・感想・評価

リング(1998年製作の映画)
4.0
多分、10年ぶりくらいに観直したけど、めっちゃ面白かった。準主人公を超能力者に設定変更することでシナリオを巧く圧縮しつつ、原作とはまた違う不気味な色合いを添えることに成功している。

今回の観直しで特に印象に残ったのは、貞子母の超能力実験をサイコメトリーで覗く場面。説明もなく一般人の主人公にまで過去視が及ぶのも怖いし、粗い画質のモノクロームで映し出される実験の顛末自体が「見てはいけない何か」を見るような曰く言い難い悍ましさに満ちている。

テレビやモニターを使った恐怖演出の数々は当然のように『蛇の道』を想起させるし、全体の雰囲気が記憶していたよりも静謐で、雨や海、井戸の水など濡れたイメージが頻出するのに恐ろしく乾いた感じがするのは、脚本を担当した高橋洋の資質による部分が大きいのだろうなと。