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リングのkanaco4月末までお休み中のレビュー・感想・評価

リング(1998年製作の映画)
3.8
Jホラーの中で最も知名度が高い「貞子」シリーズの1作目。見ると1週間以内に死んでしまう「呪いのビデオ」の謎を追うためホラー以上にミステリー感が強く感じる。直接的な「怖い・ショッキングな映像」がほぼないが「恐怖を想像させる余白」みたいな雰囲気作りがうまくて物語にのめり込めたかも🤔(139文字)

****以下ネタバレあり&乱雑文****

🎃dbdの元ネタを映画で追ってみよう④🎃
※なお、私は動画勢につき未プレイです。

スピリット(THE SPIRIT):本名山岡 凜ちゃん。
貞子や伽耶子をモデルとした日本人女子幽霊。

怨霊(THE ONRYŌ):山村貞子その人

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顔の全てを覆い隠す長い黒髪に白いワンピース、はがれた爪にノーまつげ、井戸から這い上がるガッツと共に、だらんとした姿勢で立っている念力系女子ゴーストの山村貞子さん。見ると1週間以内に死んでしまうという「呪いのビデオテープ」を作り出しだし、チェーンメールの如く呪いを展開させるやり手女子でもある。そりゃ出世する。そんなビデオを見てしまったテレビディレクターの女性が、呪いを説くためにビデオの謎を追うというストーリー。

今改めて見たら、直接的に怪異が襲うような「怖い・ショッキングな映像」がほとんどない。ホラー色よりも謎を追うミステリー色の方が強いように感じて、正直「ほぼ」怖くない。

この前にみた海外ホラーの「悪魔のいけにえ」「13日の金曜日」「エルム街の悪夢」と違う点として、主人公が若者の集団ではなく、しっかりとした大人であるからか極力落ち着いており、全編を通して静かなシーンが続く。呪いを解くために大人の機動力できちんと調査しテンポよく進捗していくから、殺害リピートがない分間延びもしない。洋画ホラーは若者たちの会話や行動で「緩さ」のあるシーンが差し込まれるが「リング」は一定で低めの不気味さや緊迫感を持続させ、ひたすら「匂わせ」でじわじわ不安煽り、その状態をラストまで引っ張る。

もちろんホラーポイントはある。「悪魔のいけにえ」を鑑賞した時、恐怖の対象である殺人家族のソーヤー一家ももちろん怖いが、襲われている主人公の悲鳴や表情=「限界まで恐怖に達した人間の様相」がキラーと同じくらい怖いと思ったのだが、リングも同様で、呪いが直接行使されているシーンがないにもかかわらず、呪われて死んだ人間のただ事ではない「死に顔」だけで、とんでもない恐怖に襲われたのだと想像して勝手に怖がれる。

また、「呪いのビデオテープ」も直接的な死を連想する恐怖画は一つもないのに、「事件の噂」を前提にそのビデオを見ると、連なった映像が意味不明、あまりにも不気味で怖い。度々出てくるゴーストは直接何かをしてくるわけでは決してない(驚かされもしない)のに静かにそこで指示しているだけで意味深で恐ろしい。

なんというか「恐怖を想像させる余白」みたいな雰囲気作りがうまくて「怖い」作品なのではないかと思った。このスタイルの場合、2回目はショッキングシーンが少ないことが分かって見るので怖くないが、初見時は分からないため、その不安感と不気味さにずっとさらされ、生殺しのストレスを受け続けることになるので「怖い」んじゃないかなぁと思った。私も映画館で見た時、もっと怖がっていた気がする🤔

そしてラスト10分を切ってようやく会える、待ちに待った貞子との有名な物理的対峙シーンは、それまでのじわじわとした静かな恐怖を下地に、ついに「ガツン」という一番のパワーが発揮されていて「良き良き🥰」ってなった(笑)

🐝💧「基本怖くないとはいいつつも、やっぱり対峙したまつ毛のないギョロっとした瞳の貞子さんのお姿だけは、脳裏に焼き付いて寝る前に思い出しちゃうほど怖いのです🤣」