コマミー

劇場版シネマ狂想曲 名古屋映画館革命のコマミーのレビュー・感想・評価

3.8
【映画と劇場を守り続ける男の真の姿】


※私は兼ねてから、本作の事が気になっており、公開日に観に行けなかったことをずーと後悔しておりました。しかし、我が埼玉県民の自慢のミニシアターの一つ「川越スカラ座」さんが、本作を再び上映していただけるという事で、バスに揺られながらやってまいりました。上映終了後には、"坪井副支配人"と盟友?である「恋のクレイジーロード」などの"白石晃士"監督と某映画館の関係者の方・そして川越スカラ座さんの番組編集を担当されている方のアフタートークもありました。



"名古屋"にあるミニシアター「シネマスコーレ」…。

それは鬼才"若松孝二"監督が開設し、若い映画製作者がここを登竜門にするようにと設立したのがこの映画の学校的存在「シネマスコーレ」だ。
そんなシネマスコーレに、坪井篤史副支配人がやってきたのは"2001年"のこと。"ミニシアター界の地殻変動"が始まった瞬間であった。彼は元々シネコンで働いていたのだが、シネコンの映画に対する考え方と彼の考え方が反りが合わず、坪井さんは"シネコンを見限って"ここにやってきた。

ここまで聞いても、私の心はすでに火をつき始めていた。そして彼は言った。

「名古屋を映画で1番熱い地にしたい❗️」


まるで太古から地球の生態系が劇的に変化したように、彼はミニシアターを変えるための"博打"が始まったのだ。"自身の映画祭"を作ったり、"特殊な形態の上映"をミニシアターで初めて行ったり、もう劇場自体を"アトラクション"みたいにしたりと、坪井さんによって"ミニシアターのバブル期"をここシネマスコーレで確立したのだ。

そしてそんな彼でも、"意外な一面"もある事に驚いたのだ。それを観た瞬間、何とも朗らかな気持ちにさせられた。

そして私を含め、全てのVHSファンいやフェチが憧れる坪井さんが作り上げた「VHSの墓場」。
これを間近で観たならば、気を失って100億年の眠りにつく自信がある。いつか私も、この世界遺産を作ってみたいと思った。


しかし、もう少し彼の動向を観ていたい。元々"情報番組の一編"として作られた為、短いのはしょうがないが、もう少し観ていたい。


なんで、続編をいつか作ってみて下さい。
コマミー

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