次男

検察側の罪人の次男のレビュー・感想・評価

検察側の罪人(2018年製作の映画)
3.9
こちらの背筋まで伸びるような、緊張感のある画面。なんだかんだ言っても木村拓哉さんと二宮和也さんが相対するという企画に、ミーハーな期待と興奮があるのは認めてしまおう。原田監督の作る、不親切でIQの高い空気に、必死で食らいつく2時間。良い意味で2時間より長く感じる作品だった。

思うところはいろいろあったけど、でも結局「面白かった」って感想になるのは、やっぱりふたりがどうしようもなく画になるから。スターってやっぱすごいの。


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ネタバレ
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でも、なんというか、「ノリにくさ」と「こんなもん?」って気持ちがあるのです。ごめんなさい。

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ノリにくさ。

・けっこうな情報量を、「聞かせる」じゃなくて「自然さ」の中で説明するから、単純に情報を受け取るのがむずい。

・木村さんと二宮さんの役どころが、なんだか掴みにくい。木村さん、酸いも甘いも知った大物検事があれだけ堕ちていくのが一回のホームムービーじゃ乗り切れないし、二宮さん、世渡り上手で知的なやり手検事が正義を全うしようと意固地になる感じもなんだかスッと受け入れられない。戯曲みたいな台詞を吐いたり小慣れたり、テンションも難しく。

・「ああ、もどかしい!苦しい!!」ってならない。なんか、みんな浸ってるみたいで。自分の不幸に。「いかんともしがたさ」が無くて。

(でも、これだけ露骨な「見せる芝居」は見応えがあった!)

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こんなもん?

ほんと失礼な言い方だけど、「語るのってそれだけでいいの?」、って思っちゃった。初めて体感するような、感情と正義の板挟みとかじゃなくて、なんか観たことあるやつ、だった。

正義とはなにか?法とは?罰するとは?そんなん何百回も自問されてきたことで、ぁから「?」だけで終わらずに自論を聞きたくて。何様で言うと、なんだか掘り下げ度合いが足りなくて、「そこから先の見解を教えてくださいよ!!本題になるべきはそこからでしょ!!」って思ってしまった。

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とかぶつぶつ言ってるけど、でも夢中で画面観てた。スターってやっぱすげえのな。
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