結論から、随所に見ごたえのシーンもあったけど、期待値が高かったこともあり、正直微妙でした。
キムタクの最上は貫禄あり色気ありでかつ破滅的でキムタクのイメージとは違って、見ごたえあり。二宮の取調べシーンもまあワンパターンとは思うけど、見ごたえあり。今の時代にあそこまでやったら証拠能力否定されるだろうから、現実的ではないが。他の役者もよい、松倉はサイコ感半端ないし、豪華でした。
問題はストーリー、脚本にあるかと。
主軸は、法律上罰することが出来ないが倫理上罰するべき人間を前に、検察官を中心とした罰する側の人間が何が出来るか。
感情的(エモーショナル)正義に従い、法を破って罰しようとする者。(こういう姿勢が冤罪を産むと非難される。)
法的正義に従い、罰することを言い方は悪いが諦める者。正しい法制度の在り方等と言って、大義名分を振りかざすだけ。(とはいえ冤罪は100%いけないから仕方ないのだが。)
ここの両者の対立は分かるのですが、正直ワンパターンで、もっと両者それぞれの内面を掘り下げるべきだったと思う。
ラストシーンは、法律に縛られた法律家と、超越して感情的正義を貫く人間の対比と理解したけど、やっぱり彼が超越していく過程が不十分すぎる。これじゃ友人が自殺していきなりおかしくなったとしか思えない。
他にも、戦争の話とか、親友の政治家の葛藤、宗教とか盛りだくさんで、どれもよく分からない。
ミステリー性がないこともあるけど、最近の法廷ものの三度目の殺人とは比べようがなかった。
付言すると、キムタクがキムタクらしくなくて◎映像が綺麗でスタイリッシュ、音楽も謎の妖しさが◯
