おふとん

検察側の罪人のおふとんのレビュー・感想・評価

検察側の罪人(2018年製作の映画)
3.6
2018年劇場鑑賞31本目。

木村拓哉VS二宮和也という触れ込みが目立つ本作。
予告でも2人の論戦に焦点が当てられ、まさしくその演技合戦が見どころ。
特に尋問シーンでの二宮の演技は良かったですね。ベビーフェイスを作中でもネタにされていましたが、ヒールな役が結構板に付いているし怒鳴り声も真に迫っていて良かったです。
対してキムタクは、いつものキムタクですね。
かっこいい、かっこいいんだけど、福山雅治と同じで何やってもキムタク以上でも以下でもない、という。
今作は穴掘ったりとか結構汚れ仕事な場面があったんですが、キムタクは返り血も浴びないし泥だらけになったりしない、体は汗だくなのに新品みたいなタンクトップきていて笑いました。いくらジャニーズでも汚れるシーンはもっと汚れた方がいいんじゃないの?とは思いましたね。

ストーリーは前半は早口の論戦とか、目まぐるしい場面転換が「シン・ゴジラ」みたいで楽しかったですが、後半になるにつれ脚本の綻びが見え始めたのが残念。
原作読んでないので何とも言えないですが、法廷劇がカットされたのは尺の都合ですかね。
恋愛要素とかいらないんで、そこをちゃんと描くべきじゃないですかね。
あとちょくちょく挟まれるギャグ演出がわざとらしいし全く笑えないので腹立つ。
あとはラスト、観客の解釈に委ねる演出なんでしょうが個人的にはただのブツ切りに見えてしまってあまり上手くいっていないような。
「3度目の殺人」なんかはその点かなり緻密だった気がします。

テーマ自体も、おそらく長い原作を無理矢理まとめたためか今一わかりにくい。
キムタクの信念なんかもあまり伝わってこないため単なる復讐目的だと思って見ているとラストのあの場面が理解できないし。
原作を読めばわかるのかもしれませんが、少なくともこの映画を一回見ただけじゃ共感できないなーと感じました。
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