罪を暴く絶対的な正義であるべき検察官、その人としての姿を描いたミステリー作品。
見終わって、まずすごく疲れました。
重ーく、暗ーく、目の話せない息を飲む展開の連続で、常に緊迫感がありました。
演技で言えば、ニノの青臭さとそれゆえの心情の変化、吉高由里子の張り詰めた実直さがとてもよかったです。
取り調べのシーンは手に汗握る、画面に引き込まれる瞬間でした。
それにひきかえ、キムタクはちょっと大げさだったところも…脚本のせいもあるかもですが。
深淵を覗き込む者はまた深淵に覗き込まれているとよく言いますが、追い詰められて行く感、最後の決断に至った経緯があまり描かれてなくて、それまで自分の信じてきたものや貫いてきたはずのもの、超えてきた壁や経験の厚みが感じられず、少し安直に見えてしまいました。
政治問題や戦争の背景など、語られない要素も多かったのかなと思うので、原作読んでみたくなりました。