ラブシーンは不要
トラン・アン・ユン監督の『アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン』の木村拓哉は良かった
他人の痛みを自分に取り込む事によってその人を救う 果てない痛みに耐え続ける その表情重すぎる十字架を背負ってしまった運命に翻弄され 静かに 涙を流す木村拓哉が本当に美しかったものだ そこに何時もテレビで見る木村拓哉は居なかった
原田監督と木村拓哉のケミストリーを期待し鑑賞に至ったが 果たして 食材は揃ってるし スパイスも良い 配役も適材適所なのに 全てがブレンドされない状態で出された料理のよう それぞれの主張が強くて不味くはないけれど 溶け合っていないのだ
熱演は理解できるけど 悲しみが心に響かない 彼が背負ってしまったものも分かるけど 他人事で終わってしまう
彼の怒りの矛先の犯人像やその背景の作り込みが弱いのと モノローグで見せる被害者との関係性が希薄だったのが致命的ではないか
そのかわり取り調べ中 突如覚醒したように狂気を露わにする二宮和也には驚かされた
唐突にだけど ちょっと 得した気分
得したと言えば 初めて見た 髪型が斬新な
松倉役の俳優が 過去の犯罪を自供する時の不気味さ、気色悪さったらなかった 彼はもっと壊れていても良かった
この消化不良は原作を読んで 沈め
モヤモヤを原田監督の別の作品
『突入せよ！あさま山荘事件』を見て吹き飛ばそ
