2018/9/1 50本目 宇都宮TOHO
小説というものは想像力が必要なメディアだ。読者側に細かい補完が求められるからこそ、世界観に浸かりやすく…トンデモが起こってもおかしくない世界観が読み手それぞれの中で構築される。
だから、映像という受け身のメディアに変換した時に、その世界観が構築されないことによる違和感が多分に生まれる(と自分は思っている)。だから小説原作はあんまり好きじゃない。
そういう意味でこの映画は、中盤からはトンデモの連続に違和感を覚えまくった。いやいやいやというツッコミどころは多い。目指していた?正義対正義の図式は早々に崩壊してはる。
でも逆にいうとそれ以外はとっても好みだった。スピーディに二転三転する展開が観るものを飽きさせず、話の筋に没頭できる。ニノの熱演がそれに花を添えて定期的に興奮の山がくる。いいよ、ニノ抜群にいいよ。
キムタクはやはりキムタクだったが、ニノの役者力にスター性で対抗できるのは彼ぐらいのもんだろう。それぐらいの普遍的なブランド力がある。キムタクには。
また、トリスハイボール(絶許モノ)以外の役者陣はみんなとても真に迫っていて、本当はどうだかわかんないけどいちいちリアリティ抜群だったように思う。
けっっしてスッキリしたわけではないけど、単純な話の面白さとタレント性、そして”それっぽさ”が同居している映画。これは法廷モノだけど、砂上の法廷をみた後と同じような観後感。
見応えという意味では今年の邦画で1番だったと思う。