Jin

検察側の罪人のJinのレビュー・感想・評価

検察側の罪人(2018年製作の映画)
3.6
”100%の正義なんてないと思う”


親しかった少女を殺されたものの、時効を迎えてしまったことを引きずるエリート検察官と、正義感の強い新米検察官。23年が経ち、少女殺害事件で重要参考人となっていた男の名前が別事件で再び浮上する。執拗に男を追い詰める正義と、真実を暴く正義の戦い。


話も面白かったし、演技も悪いところはなかったと思うけど、詰め込んだなあという感じ。
政治家の親友のくだりや日本兵だった祖父のくだりは必要なくなってしまった気がする。無理なメタファーが多くて回収しきれていないかも。
どこまで原作に忠実なのかは分からないが、間や余韻が少なく怒涛のセリフ量と超高速店舗で話が進むので、忙しい。しかもそこに法律用語が入ってくるもんだから大変。


100%の嘘も100%本当もないから、100%の正義もない。
正義は立場やタイミングによって変わってしまうし、少しずつ変わっていく法律と「時効制度」がそれを狂わせる。

終わり方の胸糞悪さが良かった。
それでこそ小説だし、それでこそ人間社会だよねって感じ。


食事のシーンがいくつかあったのに全然食べないから勿体無いと思った。

松重豊がかっこよかった。ああいう役いいね。
Jin

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