このレビューはネタバレを含みます
原作未読ですが、おそらくかなり長いものをまとめたのだろうという感じで、後半は展開がアッサリではやい。あともう一時間くらいは見られたくらい、役者陣の演技に見応えがあった。
尋問シーンや罪人となった最上との対峙する二宮さんの演技の巧みさには感服。一方で、木村さん演じる最上はそこに圧倒的な存在でいなければならない役だったが、真摯に役に向き合った演技で、やはり独特の存在感を放っていた。
そして、松重豊さんの名バイプレーヤーっぷりは素晴らしい。闇ブローカーということで、ゴロツキ感もありつつ、どこか神秘的にも見えた不思議な人物を見事に演じていた。
ストーリー的には丹野のエピソードなど複数の事象が同時平行していたり、高齢者運転反対の伏線が回収されたりして、いろいろと楽しめた。個人的には映画で付け加えられたらしい戦争のエピソードも、複数のレイヤーで作品を楽しめるエッセンスになっていたとは思った。ただ、エッセンスが多過ぎて、やはり尺が足りない感は否めない…
松倉の無罪を勝ち取るところまでの弁護士先生とか、運び屋の女性とか、きっと原作はもっとエピソードがあったことを伺わせた。
原作との違いも気になったので、機会があったら読んでみたい。
