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検察側の罪人のwakjgのレビュー・感想・評価

検察側の罪人(2018年製作の映画)
3.4
悪くはない。
ただ、気になることが多過ぎてしまった。

一つは木村拓哉が木村拓哉であることにより感じる不自然さ。
違う役柄でも同じような演技だと揶揄されるのは、他の俳優でもそうなんだと思うが、演技は自分が持つものからしか産み出すことはできないし、観客はその俳優の演技が自然であるかどうかというのは、その演技を身近に感じることができるかどうかだと思っている。
彼の逆に目立つ強い個性である、"木村拓哉であるということ"が、いつでも、いつになっても拭い取る事はできず、いつまで経っても彼は木村拓哉なのである。
例えば、冒頭の教官として登場するシーン。出だしからいきなり、ポケットに手を入れてドヤっとした表情で登場するのだ。これがポケットに手を入れるという演出だったとしても、その佇まいは、まさに木村拓哉しか出せない持ち味であり、それは大部分の観客にとって自分には持ち得ないもので、不自然で違和感でしかないのだ。クライマックスのハーモニカのシーンでも同じことを思った。
彼のようにスターダムを駆け上がり第一線で活躍してきた経験は彼しか持たざるものである、今回の役柄にはまっていたのか、というと悪くはない。ただ木村拓哉臭を抜くことはできないのではないかと感じた。
始まりと終わりに木村拓哉を強く感じる映画だった。

そして、二つ目は作品におけるリアリティの欠如。
検察上官への案件審査が、あんなに天井が高く拓けた空間で執り行われるとは到底思えない。

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