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検察側の罪人のYのレビュー・感想・評価

検察側の罪人(2018年製作の映画)
3.8
都内で発生した犯人不明の殺人事件を担当することになった、東京地検刑事部のエリート検事、最上と、駆け出しの検事、沖野。やがて、過去に時効を迎えてしまった未解決殺人事件の容疑者だった松倉という男の存在が浮上し、最上は松倉を執拗に追い詰めていく。最上を師と仰ぐ沖野も取り調べに力を入れるが、松倉は否認を続け、手ごたえがない。沖野は次第に最上が松倉を犯人に仕立て上げようとしているのではないかと、最上の方針に疑問を抱き始める。
エリート検事を木村が、新人検事を二宮演じているのだが、SMAP解散後、「俳優 木村拓哉」として魅せられた作品だ。
二宮の演技は言わずもがな。
取り調べのシーンは圧巻。息をするのも忘れてしまうほどのセリフ量。壮絶なシーンとなっている。そのシーンに酒向の怪演が拍車をかけている。
木村は今までには無いような役を熱演し新境地を見せた。アイドルから1人の俳優へと脱皮したように感じる。
松重演じるブローカーの掴み所のない演技、八嶋演じる弁護士のコミカルな演技、脇一人一人誰を取っても素晴らしい。
内容自体もかなりボリューミーで詰め込まれている。情報量の多さに少々疲れてしまうところもあるが、飽きることなく観られる。
終盤は尺の都合上、畳み掛けるような仕上がりになっているところは残念。
善悪では測ることのできないストーリーは感情移入できる点も多く、最後まで楽しむことができました。
久々の邦画でしたが、良作。
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