Ayumi

検察側の罪人のAyumiのネタバレレビュー・内容・結末

検察側の罪人(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

俳優陣の演技は神的に素晴らしい。
特に二宮さんと松重さんに助演男優賞👏👏👏
けど物語があまりにも複雑すぎるし、なぜ戦争要素を盛り込んだのか全くわからない。小説の方が圧倒的にわかりやすいし、面白いし、最上側の考えにも納得がいく。せっかく小説がこんなに面白いのに、映画ではそれが伝わりきらない。映画は、小説で作者が言いたかったことから論点がずれていると思う。純粋にそのまま映画化して欲しかった。

3度目の鑑賞にて追記。
これ、何回も見れば最上側の考えへの同情も湧いてきますね(私の理解力の問題もあろうが)。3度目にてやっと、松倉に怒りを覚えました(遅い)。松倉は時効にさえならなければ死刑判決を受けていたかもしれない人間な訳だ。だから最上は彼に罪を着せようとし、そして真犯人は自分の手で殺した。そうして、罰を受けるべき人間両方に相応の罰を与えることができる。これもある意味正義だ。っていう映画ですよね。はい。
でもやっぱり、この2つの正義って部分が映画は伝わりづらいと思うんですよね。なにせ情報量は多いし、喋るスピードが尋常じゃない。この映画、原作読まずに一回見るだけで理解するのって常人には無理だと思う。私はいまだに理解できてない。
原作にはない戦争要素まで入れてくるから余計に頭は混乱。結局インパールの話、丹野の疑惑の話、白骨街道の話から何を言いたかったのかあんまりわからない。2つの正義の話だけで良かったと思う。原作で伝えたかったのはそこなわけだし。
1番謎なのはやっぱりラスト。なぜ最上は捕まらない!!原作では捕まるのに!!捕まるからこそ、最上が「彼の思う正義」を貫いていて、そこになんの疑念もないのが伝わってくるのに。人殺しといて捕まってないって…それじゃ最上も松倉と同じじゃないか!!映画はどうも最上が悪い人に見えて仕方ない。
Ayumi

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