あまがさきひかる

検察側の罪人のあまがさきひかるのレビュー・感想・評価

検察側の罪人(2018年製作の映画)
3.3
書店員時代に読んだ数少ない作品。
なので映画化されると聞いて結構楽しみでもあり、上手く纏められるのかと不安も感じていた本作。
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このストーリーの主役を考えた時、パッと浮かぶのは「最上(木村拓哉)」と「沖野(二宮和也)」だけど、それぞれに主眼を置いてみると全く正反対の映画に見えるから面白い。‬
‪そして、そのどちらも「不完全」であるところがまた面白い。‬
‪最上の求める正義は「原始的」であり「根源的」なもの。‬
‪それに対して沖野が求める正義は、言ってしまえば「定型的」。‬ ‪
「真実を追い求める検察官」と‬
‪「自分の為に真実を捻じ曲げる検察官」‬
‪対照的な2人のぶつかり合いは考えさせられつつ見応えがあった。
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‪『自分のストーリーに固執する検事は犯罪者に墜ちる。』‬
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‪タイトルと同じくらい作中で意味深に繰り返された言葉。‬これがこの作品の全てなんだと思う。そして、ここをどう受け止めるのかによってこの作品の評価もガラリと変わるのかなぁ〜と。‬ ‪
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やはり原作丸々一冊を2時間に纏めるには厳しいなぁ〜と感じるところもあったけど、役者の目の動き、声の強弱、小さな積み重ねの果ての爆発。とても血の通ったもので結構見応えがあった。‬