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検察側の罪人のnobsangのレビュー・感想・評価

検察側の罪人(2018年製作の映画)
3.8
見どころや素敵なシーンが多く、見る価値のある映画なのですが「まとまりがない」なあ、と感じます。面白いんだけど、綺麗じゃない、みたいな。

めちゃくちゃ良いところも沢山あるんです、まずは二宮さんの演技。凄まじいものがあります。さらに木村拓哉さんの演技。どこか危うい大人の男を見事に表現しきっています。
あと松重豊さんの役どころが、かなり良いですね。
事件の真相が少しずつ、階段を上るように明るみになっていく展開も、検察ものとしてはワクワクドキドキしながら観れます。

ただですね、ウィークポイントもたくさんある映画なんです。
突然入ってくるオシャレなワンカットや変なギャグみたいなセリフ全部いらない。 
 
また、戦争のエピソードを強く出してくること、葬儀のシーンで「泣き女」が出てくる点などから「戦後イデオロギーの二項対立」みたいなのを裏設定にしてあるのが読みとれるのですが、これ果たして必要だったんだろうか、と言う感じもします。

後半の展開が雑だなあ、とも感じます。年配の弁護士先生のパーティーがなぜ行われているのか全くわからない。裁判がどうなったのかが描かれてないのは演出上分かるんですけど、もっとキャストの心情を描くシーンを…あと5分尺を長くして、丁寧に描けば良いのになぁ、と感じます。
三部構成、みたいな演出もありますが、全く意味がないです。あの構成と演出なら、区切りがなくても、受け取るメッセージにたいした差がない。

良いところもたくさんあるので、見る価値があるとは思います。「細かいところには目をつぶって」ですかね。
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