ふじこ

ミスター・ガラスのふじこのネタバレレビュー・内容・結末

ミスター・ガラス(2019年製作の映画)
2.4

このレビューはネタバレを含みます

[ アンブレイカブル ][ スプリット ]として3部作完結編。

1作目のアンブレイカブルは嫌いじゃなかったんだけど、スプリットがな…あっはぁ…って感じの作品で正直面白くなかったんだけど…。
1で超人ブルースに通報されて逮捕され、精神病院に送られたMr.ガラス。
2で女の子に恥をかかされた思い出から女ばっかり狙う多重人格の連続殺人犯"群れ"を持つケヴィン。
1-3まで通して居る病気や怪我に強くて怪力だけど水に弱い超人デヴィッド。

ケヴィンを捕らえる為に大人になった息子と一緒に興したセキュリティ会社の合間に街に出るブルース。
ある日偶然触れた手からケヴィンが犯人だと知ったブルースは迷った末に捉えられたチアリーディングの女性たちを開放する事に。そこに戻ってきたケヴィンと戦いになり、窓を破って外に出るとそこには警察隊と精神科医の女。
2人とも捕まり、Mr.ガラスも収容されている"自称ヒーロー"の人間を矯正させる施設へと送られる。

ってお話…なんだけど。
正直言って2作目のスプリットが普通につまんなくって、引っ込み思案だった主人格が恥ずかしい思いをさせられたから…女、許せねぇ!とか言う…いわゆる処女厨が女ばっか狙って犯罪するカス。
一番強いらしい人格"ビースト"も目的が分からんし、こいつも多分処女厨。女を狙う。そんなにおっぱい触らせられて笑いものにされたのがトラウマになってしまったんだろうか…。

で、このケヴィンに全然魅力がない上に、悲しい事だけれどこの頃のブルース・ウィリスはもう既に認知症めいた症状があったっぽくて、後期ブルース作品のように台詞は少ないしスタントがやっても良いように不自然なアングルで言われた演技をやってます…って感じで限界を感じる。

で、1でブルースに精神科送りにさせられたMr.ガラスが実はIQが凄いって事で、まぁあんな事件起こしてバレてなかったくらいだからそうかぁ…と思いつつ、歩けないのに施設内をしょっちゅうウロウロして結構好き放題やっている。職員の前では明確な意思の表示すら出来ない振りをしているんだけど。
ていうか、この施設のガバガバ警備っぷりが流石にちょっと頭がどうかしている…?ってくらいでそればっかり気になってしまった。
常任の看護師が2人で、因縁のあるブルースとケヴィンの房が向かい合わせでなのに出入りが普通の扉だから開いた時にお互いが見えちゃったり、ブルースの房には水が大量に出る設備、ケヴィンの方には催眠フラッシュとか言うストロボみたいな光がパカパカッと光って人格の交代を強制するヤツなんだけど、どっちもむき出しだからケヴィンの方はベッドでも投げつけられたら壊れちゃうよね…。
警備員もなしにカードをピッとやって普通のドアから入ってくるのも結構酷いなぁって思うし、超パワーがあるブルースもケヴィンも直接ドアバーンってしたらとっくに出てこれてたんじゃないんですかねぇ。

と、思いながら観てた。今作も地味過ぎるんだよなぁ。
サラ・ポールソンが演じてる精神科医って前作に居たっけ?結構前に観たからあんまり覚えてないんだけど…。
こいつが、全部説明のつく事象であってヒーローだというのは思い込みだ って方向で治療を施すんだけど、Mr.ガラスは頭がアレしちゃった振りで自由に出歩いてケヴィンを開放する事に成功。
ついでにブルースも鉄の扉イケるんじゃん?って言われてイケた。ほんとは超人じゃなかったのかな…ってしょんぼりしてたはずなんだけど。

ブルースを釈放しようとする息子、Mr.ガラスの面会に足繁く通う母親…は分かるんだけど、ケヴィンのところに来るアニャ・テイラー=ジョイはなんで?しかない。一方的に決め付けたビッチ殺すマンだったケヴィンに誘拐されたけど、お腹の自傷跡だか虐待跡だかを見つけて"お前もまた満たされない者か…"みたいな謎の事言って見逃したキャラクターだったはずなのに、めっちゃケヴィンに構ってくれるんだけど、なんで?
このキャラクターが全然分からないけれど結構出てくるから(なんだこれ…)ってなっちゃう。何がしたかったの?吊り橋効果ってヤツ?

そんで脱出したMr.ガラスとケヴィンの所にブルースが来て、病院の前でめちゃ揉めした結果全員死ぬんだけど、なんか手首にクローバーの入れ墨をした警備員とサラ・ポールソンが実は超人っぽいヤツを洗脳して"超人なんて嘘で病気で、ただの人間なのよ…"って思い込ませてなかった事にする謎組織。
…は?ってなっちゃった。そんな前兆どっかであったっけ?この組織の事はマジでなんも分からないまま終わる。
超人がいるから悪人も出るし、悪人がいるから超人も出てくる!バランス!!みたいな思想っぽいんだけど…。
はぁ~?って思っている間に、2人の揉め揉めに巻き込まれてMr.ガラスが致命傷、アニャ・テイラー=ジョイのせいでケヴィンは撃たれ、ケヴィンに貯水タンクに入れられて弱ったブルースはクローバー兵に水溜りで溺死させられる。地味な展開、相変わらず地味な戦闘を経て全員死んじゃったよ…。

でもMr.ガラスは本来の目的があって、それは施設内にある沢山の監視カメラの映像に映された超人っぽい2人の姿を世界に公開させる事。
超人は…!いま~す!!って事で動画を公開して、なんか駅…?みたいなところで他の人間が動画を観てるのを眺めて息子・母親・アニャの3人がやったぜ…って感じで終わり。

なんか急に出て来た超人許さない組織と、超人知らしめたい…みたいな流れがほんと終盤に急にポっと出も甚だしいって言うか…。
なにこの展開…って思いながら終わってしまった。
ヒーローにもヒーローコミックにも全く縁遠いから何かしらのそういう思想みたいな根底があるのかも知れないけれどわたしには全く分からなかった。

1でブルースにこいつ薬物売買してな~い?って身体検査されていた若いインド系の男性が、3の冒頭で前に会ってない?って短い会話をしていた同じ人か~~?って思ってたんだけど、これがM・ナイト・シャマランだったとは…。
あの若い方もそうだったのかな?ていうかシャマランってインド系だったのかよ~って事が最大の収穫だった気がしないでもない。
当たり外れがでっかい監督だなぁって思う。
ふじこ

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