こーべい

ミスター・ガラスのこーべいのレビュー・感想・評価

ミスター・ガラス(2019年製作の映画)
4.1
あれもこれもと考えて観ててあっという間の2時間だった。

『アンブレイカブル』『スプリット』は鑑賞しておかないと間違いなく「???」となるのでぜひご鑑賞を。
その上で観ると「いきなりケヴィン出てきてまた誘拐してる!」「ダンが独立して店持ってる!」「ダンの息子成長してかわいくなくなってる!」など最初からいろいろ楽しめます。
そして3人がはじめて一堂に会した時、氷室・布袋・吉川が同じステージに立った映像が頭をかすめました。

今作も暗示に塗り固められた映画。なので解釈が相当難しいと思う。

頭脳(ミスター・ガラス)+人格(ケヴィン/ビースト)+肉体(ダン)がお互いを強く意識しながら対立したり手を組んだりする訳だけど、結局この三位一体って人間そのもので、彼ら3人合わせて一人の超越した人間という風に捉えることはできないんだろうか。その中にヒーローもヴィアンも内在している形で。
少しネタバレになってしまうけど、一人の人間VS組織という構造。

そして組織の目的は一体何だったんだろう。
特異な能力の抹殺にあるのであれば、それはマイノリティへの差別批判だったりダイバーシティの話だったりと考えるのは少し深読みが過ぎるのかな。。

深みのあるストーリーテリングが故にああだこうだ考えて楽しめる、けどそんなこと考えなくてもサスペンスとアクションだけでも十分面白いのはこのシャマランシリーズの特徴だと思う。
病院前のバトルは名場面だと思う。MCUとかもろにVFXて感じで興醒めするけど、こちらはもっと肉弾的でほんまのケンカみてる感で手に汗握れました。