ゆめちん

ミスター・ガラスのゆめちんのレビュー・感想・評価

ミスター・ガラス(2019年製作の映画)
4.0
ミスター・ガラス

"アンブレイカブル"と"スプリット"共にリアルタイムで鑑賞。

"スプリット"の終盤で"アンブレイカブル"との繋がりを明かすという斬新なアイディアから本作へ流れ込みます。

フィラデルフィアのとある施設に、不死身の肉体と悪を感知する力を持つデヴィッド、24人もの人格を持つ多重人格者ケヴィン、驚くべきIQの高さと生涯で94回も骨折した壊れやすい肉体を持つミスター・ガラスの異名を持つイライジャ、それぞれ特殊な能力を持つ3人の男が集められます。

MCUやDCとは一線を画し、それらとは全く違うシャマラン監督独自の視点から、現実味のある等身大なヒーロー像を上手く作り上げ、身近に感じられる独特のキャラ設定が新鮮に映ります。
"アンブレイカブル"の製作から約20年経過し、MCUやDC全盛時代の今改めて再鑑賞すると、また違う発見があるのかもしれません。

"アンブレイカブル"では、ミスター・ガラスの"IQが高い"という設定が上手く生かされてなかった印象ですが、今作ではケヴィンの24番目の人格ビーストVS不死身の男デヴィッドの構図を作り上げ、映画タイトルの通り、"ミスター・ガラス"の緻密に練られた頭脳戦が見応え十分ですし、シャマラン監督らしい予想できないストーリーの展開も好みでした。

この3部作は列車事故から始まり、駅でのシーンで終わる、20年間にわたる"ヒーローは実在するか?"というテーマを追い求める旅に終止符を打ち、きれいに拾い集め完結したな~という印象。
"アンブレイカブル"も"スプリット"も本作品がなければその良さが分からない、そんな気がします。改めて3部作を纏めて鑑賞したいと思いました。

エンドロールの人数が物語る、あれだけの人格を演じ分けるマカヴォイの演技力は、やはりすごかったですし、ケーシーとのシーンをもう少し観たかったです。
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