10円様

ミスター・ガラスの10円様のレビュー・感想・評価

ミスター・ガラス(2019年製作の映画)
3.7
これぞシャマランって感じの映画ですね!
賛否があるのも当然です。合わない人は「結局何が言いたいの?」って結果になるのも分かりきっていますが、幸運な事に私はシャマランの世界観にフィーリングが合ったんですよね。彼の作品はどれも面白い。(2作品除く。あれはシャマランを監督にした製作側が悪いと思う)

MCU.DCEUの裏で動くシャマラン流のヒーロー物語。実はアンブレイカブルの時から3部作になる構想はあったらしいがこの頃からシャマランバッシングが始まり計画は頓挫しました。現在やっと息を吹き返し始めここまでたどり着けたのです。ブルースもサミュエルもよく出演してくれましたね!

アメコミの歴史は30年代後半から始まりますが表現描写に関して50年代に大論争が巻き起こります。内容は単純で、性や暴力の描写制限や勧善懲悪を徹底させろといった事で、その規制をCCAという機関がかけてしまいます。で、なんとこの機関が消滅したのは2011年なんです。約60年。アメコミ業界はこの規制と戦っていたんですね。おかげでスーパーヒーローはたくさん誕生したのですが、やはりヴィランが陽の目を浴びず、毎回煮え湯を飲む役回りだったのが釈然としない読者もいたでしょう。それがシャマラン少年だったんだと思います。

恐らくミスターガラスというのは皮肉にもアンブレイカブルの頃からシャマランを投影させたキャラクターなのではと思います。シャマランはアンブレイカブル以降出せば酷評の映画監督になりはててしまい、そのくせギャラは高いという映画界の悪役だったんですね。
「何で分からんのだ私のこの表現を…メッセージを…オマケに黒人親子のSFを作れだと?俺の映画観た事あるの⁈」
なんて心の声が聞こえます。
そしてこのヒーロー映画の大半は精神分析医による質問シーンです。これがCCAそのものではないでしょうか。そこを考えるとこれは心理戦のアクション映画ですよ。実にシャマランらしい。

スケールが大きくなるのかな?なんて思わせておいて小さいままとか、重要なシーンを監視カメラ越しで見る不気味さとか、ファンであればシャマランの良いところたくさん見つけられます。
シャマランって自分の映画に絶対チョイ役で出るんですが、ある映画で調子に乗って重要キャラになって以降出てこなくなりました。しかし、今回はいます。そこがなんかとても嬉しかった!