RYUYA

ミスター・ガラスのRYUYAのレビュー・感想・評価

ミスター・ガラス(2019年製作の映画)
3.5
子どもの頃はみんなヒーローが好きで、例えばそれは僕にとってのクウガやアギトやダイナだったりして、彼らは本当にいて、町内にのさぼるヤンキーたちや、下痢ピーの僕の腸内に潜む悪玉たちをブチのめしてくれるんじゃないかと期待したりして、でもある日どこかでその希望は打ち砕かれて、本当にいるのはサンタクロースだけだと知ったりする。

コミックにせよ映画にせよ、創り出す多くの作家たちは「ヒーローになりたい」「夢を与えたい」と、腰に変身ベルトを巻いたりした幼少期の願いや羨望を込めてその作品を生み出してきたと思うが、シャマランは根本から違う。
この3部作を見てそう思った。
「ヒーローは実在する」と、恐らく本気で思っているんじゃないかなぁ。
だから最後は願いを込めて『ミスター・ガラス』なのだろうというご都合主義の愛すべき解釈で楽しみました。

僕がある日興奮して体が緑になって巨大化しても、
手首んとこから蜘蛛の意図が精子みたいにピュッと出ても、
男塾に入塾しても、
八幡山の精神病院に入れられるのだけは嫌だなぁ。

その時の為に、みんなこの映画を見るべきだと思う。
空想と現実の溝を埋めるパテのような素敵な映画だから。
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