エジャ丼

ミスター・ガラスのエジャ丼のレビュー・感想・評価

ミスター・ガラス(2019年製作の映画)
4.2
「"スーパーヒーロー"は、実在するか?」

強靭な肉体と悪を感知する力をもつデヴィッド・ダン〈監視人〉
24人分の人格をもつケビン・ウェンデル・クラム〈群れ〉
頭脳明晰だが、非常に脆い身体をもつイライジャ・プライス〈ミスター・ガラス〉
の3人は精神病院に収容されるが、そこの責任者である精神科医エリー・ステイプルから、特殊能力は存在しないと告げられる。

「アンブレイカブル」「スプリット」に続く三部作の完結編。何故か「アンブレイカブル」のその後を描くとか宣伝されちゃってるけど、スプリットもちゃんと入れてあげないと!観ても「誰?」ってなっちゃうでしょうが。あとなんでパンフレット作らなかった?

一応ヒーローを題材にした映画ではあるものの、前二作を鑑賞していればわかる通り一般的なそれとは一癖も二癖も異なる作風。雰囲気シックス・センスの超人映画、という感じ(それただのシックスセンスか?)。2作品で作り上げてきた超能力者たちがついに全員揃うというワクワク。デヴィッドとビーストの初2ショットには「インフィニティ・ウォー」でのガーディンズオブギャラクシーのアベンジャーズ参戦のような感覚を覚える。さらに「アンブレイカブル」で登場したデヴィッドの息子ジョセフが成長し、さらに「スプリット」からアニャ・テイラー=ジョイがケイシー役で登場と同じ世界観ならではのアツさも感じられる。

しかしアベンジャーズのようなチームヒーローみたいには上手くいかず凸凹な3人の個性のぶつかり合い、それに乱入する医者、というはちゃめちゃな構図のモヤモヤ、と非現実な存在たちのリアル(起こりうる可能性)も映像にしちゃう監督のひねくれっぷりか。だがそこで終わらないのがM・ナイト・シャマラン、超人というバカでかい個性をもつキャラだからこそできる驚きの展開もしっかりと含め、最終的には映画内のスーパーな存在を肯定する形で締めくくられる。なかなかユニークな三部作で、面白かった。