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死霊館のシスターのmのレビュー・感想・評価

死霊館のシスター(2018年製作の映画)
4.7
序盤、主要登場人物達の登場の演出にちゃんとさり気なく一工夫してある時点でもう安心できる。主要人物達が集まり修道院に到着するまでの前半までは監督の演出力が発揮されていて、かなり良い調子。

物語が停滞して本当にやるべき事に背を向けひたすらあっても無くてもいい心霊描写に精を出す中盤はあまり冴えないが(この辺はネタバレありでコメント欄に書きます)、悪魔との本格バトルに雪崩れ込む終盤はパワフルで愉しい。悪魔が出てくるまでの煽るホラー描写よりも、出てきてからのアッパーな対決描写の方にこの映画の力強さがある。この辺りは活劇映画としての面白さで、サム・ライミ的なケレン味と執拗さもあった。
すぐ死にそうに思えたフレンチーの活躍と決め台詞、粘りに粘った上でのプロレス技決着が痛快。

個人的にちょっと思ったのは、もう無理して1作目に繋げなくても良いのではという事。前日談方式への真面目な責任感があるのは良いのだけど、この映画単体を尊重する終わり方を観たかったなと欲をかきたくなった。それだけ主要人物達がチャーミングに描かれていたので・・

「死霊館」本編の主演女優の実妹が主演なのがまた良い感じ。タイッサ・ファーミガ、「ファイナル・ガールズ」の時も良かったけど今回も素晴らしかった。


Netflixで大傑作「ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス 」を見てしまった直後だったので、個人的にアメリカのホラーにはどうしてもハードルが高くなってしまっているのだけど、ジェームズ・ワン界隈の作品は大体アッパー方向に突き抜けてくれるので良い。


シスター達の哀しみがもっと見えるべきだったと思う。
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