賽の河原

今夜、ロマンス劇場での賽の河原のレビュー・感想・評価

今夜、ロマンス劇場で(2018年製作の映画)
2.4
予告編見てて、「映画のスクリーンから綾瀬はるかが『リング』みたいに飛び出してきて坂口健太郎さんか恐怖に慄きつつも恋をするんだけど、綾瀬はるかには『触れると成仏してしまう』という縛りがあるんです。さて、あなたは恋した相手に触れずに愛することが出来ますか?」って話なのは把握して観ました。
で、話をある程度把握して観てると「あれ?貞子がスクリーンから抜け出てくるまで意外に長いね」とか「『触れると消えちゃいますよ』っていう設定を発表するまで、結構引っ張るね〜w」って感じもありましたし、なんなら3幕目に「回想している爺さんの病室にある人が来るくだり」でオチの大勢はつくんですけど、そっからも結構長い...
んで映画でしつこいほど「ハッピーエンドがどうのこうの」って言ってるんですけど、最後のそれはハッピーエンドって言えるのかっていう...w 「現実の諸々をなげうって虚構の世界に耽溺してしまった、入り込んでしまった男の話」に見えてしょーがないんですが...。「それでいいのか...まあお前がそれで満足ならまあええか...」という。綾瀬はるかでなくてはならない理由が正直ピンとこないですわ。それに古い映画を愛でて、新しい映画を作らないクリエイターって本当に映画好きなんですかね?
「映画のスクリーンから抜け出てきたヒロインに恋した男」の話だからまだいいですけど、これが「アイドルに恋した男」とか「アニメのキャラクターに恋した男」とかに置き換えたら、純愛とか言ってられるんですかねえと。すげえ閉じた話だなと思わないでもないですよ。
綾瀬はるかが象徴するプラトニックな愛と対比する位置に置かれている本田翼さんのキャラクターもなんだか中途半端でテーマの葛藤が深まらないですよね...。てっきり本田翼が主人公をエロティックに誘惑してくるのかと...。
この話を本当の意味でハッピーエンドにするなら「2本の虹に願いを込めて、虚構を現実サイドに引っ張って来る」っていう方法しかないように思うんですが...。
賽の河原

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